+僕らの関係+
PM10時。シャドウとの待ち合わせ場所のタルミナ公園に着いた。
「シャドウは・・・」
辺りを見回すが・・・見当たらない。
「まだ来てないのか?」
「ヴィオ!!こっち!」
「シャド・・・!!?」
驚いた。これは非常に驚いた。何に、というとシャドウの格好に、だ。
「アハハ、驚いた?」
「あ、ああ・・・」
シャドウの格好は胸元に柔らかな羽のついたひざ丈の黒いワンピースで、正直言ってとても可愛い。
ゆったりとした紫暗の髪は背中を隠し、長めの前髪を赤のラメが入ったピンで止めている。
「どうしたんだ・・・その格好・・・」
感嘆のため息を漏らしながら俺が問えば、シャドウそっぽを向きながらは少し顔を赤らめた。
・・・ヤバイ、可愛い。
「それは・・・だからその・・・驚かそうと思っただけだ!も、もう・・・早く行くぞ!!」
「え、あ、ああ・・・」
シャドウは俺にぎゅっと腕を絡ませて歩き出す。いつもならこんなことは絶対にしないのに。
とりあえず、これはチャンスと見るべき。なんとか計画通りに運ばなければ・・・。
とりあえずシャドウの言われるがままに遊ぶ。
ゲーセンやら飲み場を回って、月と太陽が回るように予定通りに事を運んだ。
・・・つもりだった。
「ヴィオ〜・・・」
「シャドウ・・・お前、酒飲みすぎてないか?」
今はよいしょと俺がシャドウをおんぶして歩いている状態になった。
飲み場で酒が過ぎたか、元々飲めるクチではなかったのだろう。
しかし、この状態は微妙に計画から外れている気がする・・・。
「ヴィオ・・・今日は俺のマンションに泊まってけ〜・・・」
今とんでもない爆弾発言を聞いた気がする。
肩に頭を寄せてだらりとしているシャドウの顔を、俺は首を前に倒して覗きこんだ。
「シャ、シャドウ?」
「ん〜ヴィオ〜・・・好き〜・・・」
「シャドウ・・・いいのか?俺は本家の人間だぞ・・・?」
改めて考えるとそうなのだ。俺とシャドウは本来ならこんな事をしていい関係じゃない。
ふっと高ぶっていた気持ちに水が入る。
シャドウのことは好いている。だが、それを表に出しても良いものなのだろうか。
「ダー兄ぃも本家の・・・リンク姉ちゃんと駆け落ちしたんだ・・・」
「兄貴がやったからといってお前がしてもいいのか?第一、父親は?」
「ん〜確かにぃ父上は怖いけど・・・ヴィオの方が好き〜・・・」
「・・・シャドウ・・・俺もだ・・・」
何よりも、シャドウが好きだ。
俺はシャドウのマンションに足を速めた。ここまできたら後はもう勢いでどうにかするしかない。
マンションに入って、シャドウをベットに座らせる。
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取ってきて手渡した。
このマンションに来るのは初めてじゃないから多少の勝手は知っている。
「シャドウ、大丈夫か?」
「うん・・・」
とりあえずさっきよりはシャドウの意識がはっきりしてきたようだ。
ミネラルウォーターの中身を全部飲みきるとシャドウはゆっくりと俺に視線を合わせた。
「んー・・・ねぇ、ヴィオ・・・」
「なんだ?」
「さっき俺の事好きだって言ったよな」
キッと赤い瞳が俺を捉える。
「ああ、言った」
「・・・どのくらい好き?」
「・・・今すぐ俺のものにしたいぐらい」
「じゃあしろ」
「・・・・・・は?」
「だから、ヴィオのモノにしてみろよ」
「・・・いいのか?」
「俺だってヴィオが欲しい」
シャドウを俺を手招きで呼ぶと、ちゅ、と口付けた。
「ん・・・じれったい時間に厭きたんだよ・・・ヴィオ・・・」
俺は昨日、自分の気持ちに気付いたというのに。
シャドウは厭きるぐらいにそう感じてたのか。
わからなかった。人に、こんなに好意を寄せてもらったのは初めてだった。
心が温かくなる感覚に俺は自然と笑みを零していた。
「ヴィオ、好き」
軽い音を立てて、俺はシャドウをベッドに押し倒した。
薄暗くなった部屋ではベッドサイドのランプにのみ照らし出される。
あえてぼやかした様な世界がより一層今の雰囲気に拍車をかけた。
「ん・・・あっ・・・」
シャドウの白い首筋に沿ってそっと舌を這わし、右手で服と下着を脱がして、白磁の肌を撫でる。
「はぁ・・・ん・・・」
「シャドウ・・・」
「んっ・・・ヴィオぉ・・・」
シャドウのそんなに大きくない胸の、桃色の初々しい突起に触れるとシャドウは少し身体をすくめた。
戸惑う表情で見上げてくるシャドウに、軽く口付けを落す。
「あ・・・ヴィオ・・・」
「怖くないから、な?」
シャドウが少し安心したのを見てとると、突起に触れた右の指を少し強めに動かし、弄る。
「んっ・・・ふ・・・ぅ」
静かな快楽に流されて、とろんとシャドウの紅い瞳が虚ろになる。
シャドウのもう片方の胸の突起を口に含んで、舌で転がした。
「あんっ!・・・あっ・・・や・・・っ」
「痛い?」
シャドウは首を横に振る。
それが嫌ということなのか、痛くないということなのかよくはわからない。
ただ震えて総毛立った肌に拒絶はされていないように思えた。
胸に置いていた手をゆっくりと滑らし、シャドウの愛液で濡れかけた秘部に触れた。
「ふぁ・・・あ、ぁアっ!」
甲高い声と共にびくっと反射的にシャドウの腰が跳ねた。
嬌声を上げたのが、信じられないといった風に目を見開いてシャドウは顔を主に染めている。
その声が、いい。
「あんまり・・・痛くするつもりはないからな。・・・多分」
確実性を問えないのは、いつまで自分の自制心が持つか分からないからであって。
足を広げさせ、シャドウの愛液を塗り広げるように指を動かしてそっと指を奥に進める。
「はぁんっ・・・あっ、や・・・・・あっ・・・!」
「・・・シャドウのココ、すごく熱いな・・・」
「や・・・ぁ・・・どこ、触って・・・・」
自分でも触れたことのないような場所を触られ、シャドウは全身を粟立たせた。
弄れば弄るほどシャドウの秘部は愛液を溢れさせて、ヴィオの指を濡らす。
ヴィオはなるべく優しく時間をかけて指を進ませ、一本の指が根元まで入ったところで動くのを止めた。
焦れば傷つけてしまう。
「シャドウ、大丈夫か?」
「ん・・・だい・・・じょう・・・ぶ・・・っ」
シャドウの肌はしっとりと濡れて、呼吸もいささか荒くなっている。
その両手はぎゅっとヴィオの左手とシーツを掴んで放さない。
「もう少し・・・無理させるぞ」
「う・・・うん・・・っあ!」
ヴィオは内部に挿れた指をクッと動かしてシャドウを探る。
「っあ!ヴィオ!・・・っそこ駄目ぇ!!」
ある一点を指で擦るとシャドウの身体が大きく跳ねた。どうやらそこがシャドウの弱いところらしい。
「悪いな、シャドウ・・・」
「ふ・・あ・・・やっ!だ、めだっ・・・て、や、あああぁんっ!!」
やんわりとそこを攻めながらヴィオは序々に指を増やしていった。
水音が次第に荒くなっていく。
「あう・・・っん・・・やぁん・・・・!」
「シャドウ・・・」
ぐっとシャドウの腰を掴んで、濡れる秘部に自分のものを押し当てる。
「・・・もう、我慢できそうにない・・・」
「ヴィ・・・オ・・・ん」
くちゅ、とシャドウに深く舌を絡ませた口付けを贈った。
「力、抜いてろよ・・・」
ズズ・・・とヴィオのものが入ってくる感覚に、シャドウは目を見開いて涙を流した。
慣らしたとはいえシャドウは男を知らぬ処女なのだから――。
「あ、あああああっ!!」
「っ!シャ・・・ドウ・・・」
ギっとヴィオの左手にシャドウの爪が食い込んだが、ヴィオはそのまま腰を進める。
艶っぽいシャドウの顔を窺いながら、ヴィオは奥まで貫いた。
「はっあっ・・・んっ・・・ぁんっ・・」
「・・・動いて、いいか?」
「ん・・いい・・・・・うご・・い、てっ・・!」
シャドウの内部はきついぐらいヴィオを締め付けて快楽を与えていた。
もし動くなと言われてもそれは無理なことだったかもしれない。
動くたびにギシっとベッドが軋み、シャドウとヴィオの熱い息が混じり合う。
「あ、もうっ・・・ヴィオ、ヴィオっ!!」
「シャドウ・・・っ!!」
「ひ・・・あああァァァっ!!!」
「っつ!!!」
シャドウは背を大きく仰け反らせて震えた。
ヴィオも達する瞬間に自身を引き抜き、弛緩したシャドウの上に蜜液を吐き出した。
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