月はまだ星で織られた夜闇のかごの中。
それでも煌々と光り続ける。
「あ・・・」
シャドウのものから溢れた先走りがヴィオの手を伝って慣らされた秘所を濡らす。
強く窓縁に押さえつけられ、秘所に猛ったの熱を押し当てられた。
声を塞ぐように唇に舌を押しこまれ、それと同時に貫かれた。
ヴィオの奥に見えていた月が隠れる。
「んんっ!!・・・っふ・・んぅ・・・は、・・・ひぅっ・・・!!」
シャドウの目が見開き、肢体が弓なりにしなった。
不安定な体勢ではゆっくり押し入ってくれるはずもなく、串刺しの如くヴィオのものを飲み込まされた。
身体は解される指に離れても、肉を裂かれる痛みには慣れない。
少しでも滑りを良くするようにと、秘液と先走りがしどしどとシャドウの秘所を潤した。
生温かい液体に気付いたヴィオがゆるやかに秘所の奥を穿つ。
「はぁっ・・ぁっ・・・ま、まだ動かな・・・ぁ・・い、ぁあ、あ゛、あ゛っ!」
甲高い悲鳴がシャドウの口から迸る。
頭の置かれた先は空の下をいうのに、シャドウの身体は構わずそちらに逃げようとした。
ヴィオが逃げるシャドウを押し留めれば、その足はじたばたと宙を蹴る。
「っ・・・ん・・・痛いか・・・?」
「ア・・・あ、つ・・熱いっ・・・・・ァンっ!」
ヴィオも熱い息を吐いて声を掠れさせている。
青い海の瞳が快楽に潤んでちらちらと獲物を食らおうとする波が浮かぶ。
その手は、いつの間にか酒瓶を握っていた。
「んぁ・・・ぅっ!」
抵抗する気力もないまま、シャドウは額から酒を浴びた。
強い香りが快楽に溶けかかっていた2人に拍車をかける。
岩の隙間から地下水が流れるように、とくとくとヴィオがシャドウの身体を酒に濡らしていく。
脊髄に沿うようにして、繋がった部分にまで一直線に酒の道を作られた。
その上を、ヴィオは愛おしそうに口付け、丁寧に舐め取っていく。
「美味いな・・・」
「はぁ・・・アっ・・・や、あぁぁ!」
腕をヴィオの首に絡めたいとも思ったが、それすら億劫に思うほどシャドウは酔っていた。
身体に流された酒は敏感で欲に燃える肢体を更に蕩かす。
ヴィオが窓から引き離すように揺さぶればシャドウはあっという間に陥落した。
「ひぅ・・・あ、もう・・ヴィオ・・・イき、た・・・ぁっ!」
「・・・ん・・・」
びくっとシャドウの身体が張り詰めた。
乱れた呼吸が行き交う喉にヴィオは口付け、強く腰を打ちつける。
恍惚。
その言葉にふさわしい刺激を与えられた。
膝は肩に着くほど抱え上げられ、奥まで犯す熱に切ない悲鳴を上げる。
「・・・その顔は、男を煽るぞ・・・?」
知らない。鏡なんて今は無い。
今目の前にあるのは愛しい人と身体を溶かす熱だけ。
もっと揺さぶって貫いて。酒よりも、もっと強く酔わせて。
もっと俺を溺れさせて欲しい。
「んくっ、ぁああっ・・・ヴィオ、もっと・・・ぉ・・っ!!」
一層高くなる官能の声に、ヴィオも満足そうに唇を歪める。
ぐり、と内で円を描くように動かせばゾク、とシャドウの身体が震えた。
目の前が白いのは、月の明かりだけではない。
「も・・・・駄目だっ・・え、ぁあ、・・・・あああぁぁぁっ!!」
「くっ・・・・!!」
虚ろな瞳を漂わせてシャドウの身体がガクっと硬直して脱力した。
同時にヴィオも長く息を吐きながらシャドウの内に熱を吐く。
「はぁ・・・シャドウ、大丈夫か」
「・・・ぁー・・・」
相当快感にあてられたらしい、霞掛かった返事だけが返ってくる。
ヴィオは自分のものを引き抜き、だらりとしているシャドウの身体を担ぎ上げた。
シャドウはなすがままに、大人しく運ばれる。
ぽんとベッドの上に落とされてようやくシャドウの目に光が戻ってきた。
「ヴィオ・・・?」
「続き、するぞ」
白濁に汚れたシャドウの腹を撫でながら言う。
ぴちゃ、だのくちゅ、だの淫猥な音を立てながらでのヴィオの声はひどく官能的に聞こえた。
「次は、俺が、動く」
シャドウはヴィオの首に腕を回し、はぷ、と口付けた。
くたりとベッドに沈んで動かなくなったシャドウを、ヴィオは暗闇の中静かに見つめる。
涙の跡の残った目尻に軽く唇を寄せ、情事のあとの残る身体にシーツを掛けた。
よほど疲れたのだろうか、シャドウはぴくりとも動かない。
今なら、倒せる。不意にそんな考えが頭を過ぎる。
壁に立てかけてある自分の剣に一瞥をくれ、ヴィオは静かに溜め息を吐いた。
「シャドウ、・・・俺は酔っても、勇者のままだ・・・」
まだ太陽は昇らない。
fin.
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