+Dawn+


吐く息は熱い。
燃える様に身体が熱い。
責め立てられて喉の奥からは色めいた嬌声が出る。

「・・・ああっ!!」

耳の奥を蕩かすような甘い声を吐きながら、ネサラはその身体を仰け反らせる。
次いで粘着質な音が薄暗い部屋に響いた。

「は・・・ネサラ」
「ン・・・」

床に落ちていた身体をティバーンに抱き起こされる。
こぷ、と溢れ出た蜜液が足を伝ってシーツに落ちた。
その感覚にネサラは眉を顰めたがティバーンのせいで身動きが取れない。

「放し・・・っ」

逃げようすると、噛み付くように口付けられた。
舌が這うように入り込みゆっくりとネサラの舌へ絡める。
唇を離すと、どちらのものか分からない唾液が糸を引いた。

「はぁ・・・。もう、いいだろ・・・帰れ・・・」

ここはネサラの部屋。一応主としての権限はネサラにある。
もっともそれがティバーン相手にまともに使われたことは無いのだが。
ネサラはなんとかティバーンを押し退けようとするが、肩を掴まれ腕の中に引き戻される。

「帰る前に、してもらうことがあるぜ」
「・・・・・・」
「お前が出したものだろ?」

そう言ってティバーンは自らの腹を指差す。
そこには白濁の蜜液がぬらりと光っていた。

「あんたって人は・・・・っ」

ネサラは顔を赤らめながら拳を震わせる。
その様子にティバーンは意地悪く笑いながら待っているだけだった。

「ネーサーラー」

ワザと急かす様なティバーンの声に、ネサラは屈辱の表情を浮かべた。

「ぐっ・・・」

ネサラは今にも殺してしまいそうなほど瞳を殺気に込めてティバーンの腹に顔を埋める。
唇こそ腹に付けないが出来るだけ舌を伸ばして一筋の蜜液を舐め取った。
同じように、もう一度。
次第に戸惑いも薄れて、休まずに舌を動かしだす。
ぴちゃぴちゃと音を立てながら腹筋の割れ目に舌を這わして舐め取り続けた。

「はぁ・・・っ」

あと少し、というところでネサラは顔を上げて口元を拭った。
拭った指に僅かな白濁が見える。

「ったく・・・腹がボコボコしててやりにくい」
「腹筋が割れてんだからしかたねぇだろ」
「筋肉ダルマ」
「・・・お前は細いな」

するりとわき腹を撫でられてネサラは身体を震わしたが、すぐにその手を跳ね除ける。
その行為にティバーンはむ、とした顔になると、痛めない程度にネサラの髪を掴んだ。

「わっ・・・っぅん!?」

びちゃりとティバーンの腹に顔を押し付けられた。
ティバーンが髪を掴んだまま蜜液を顔に擦り付ける。

「やめ・・・っ!」

ぐりぐりと擦り付けられてネサラは苦しそうに顔を歪めた。
蜜液の感触が気持ち悪い。

「よし、きれいになったな」

ティバーンはさっとネサラの髪から手を放す。
ネサラは擦り付けられた頬を手の甲で拭うとティバーンを強く睨みつけた。
その瞳はさっきより数倍、殺意が篭っている。

「・・・俺の顔を雑巾代わりにするとはな」
「雑巾?それは違うな」

どうどうと殺気立つネサラをティバーンは苦笑いしながら抑える。
苦笑いをしながら――手があらぬ方向へと向かっていた。

「っ・・・何・・・?」

突然翼に触れられネサラの機嫌はさらに悪化する。
だが、ティバーンの手は止まらずに漆黒の羽の間を探っていく。

「ちょっ・・・まさか・・・あんた、まだ・・・」

嫌な予感がしてネサラは羽をバタつかせた。
しかし、時既に遅し。がっちりと腕を捕らえられ、ネサラはまたもや身動きが取れなくなる。

「まぁ、そういうわけだ。もう少し付き合え」
「バっ・・・待て、放せ・・・あっ・・・やぁ―――!!」








一刻後、やっとの事でネサラは開放された。


「・・・あんたって人は・・・」

ぐったりとネサラは床に突っ伏していた。
そのかわり、ティバーンはかなり爽快な顔でネサラの髪を弄っている。

「・・・後で泉に連れてってやるからそう拗ねるなよ」
「うるさい、とっとと帰れ・・・」

ネサラは最後の力を振り絞って、ティバーンの手を跳ね除けた。













                                     fin.





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